Real Face

ギリギリでいつも生きていたいから

子供

シングルマザーはマジですごいと思う。

 

 

僕は子供がそんなに欲しくない。

その理由は単純で、「子供の人生に責任を持てない」と思うからである。

 

子供のことが嫌いではないし、面倒を見るのも苦手じゃない。

どちらかと言うと子育てには結構興味があって、やりたいとすら思う。

でも、責任を取れない。

責任っていうのは、子供を作ってしまった後の自分の人生についてもだと思う。

 

子供が生まれたら、面倒を見ないといけない。

教育しないといけないし、養育しないといけない。

そのためにはお金も時間もたくさんかかるし、とても私的な活動であり、とても社会的な活動でもある。

 

自分の遺伝子を持つ他人が、どのような体験をし、どのような成長をし、どのような思考をするのか、それは面白くて仕方のないことだろう。

自分とどこが似ていてどこが似ていないのか、それを探ってゆくだけで一生の人生を捧げる価値があると思う。

また、当然、子育てをすべきであるという遺伝子が人間には刻まれているだろうから、本能レベルで満たされる行為なんじゃないかと思う。

 

でも、子供は一人の人間だ。自分ではない。

自分はどういう考えから子供を産み、育てようと、その子自身にはなんの関係もない。

お前は俺(とその愛する人)のエゴによって人生を左右されるんだぞ、と思いながら育てることの卑劣さは計り知れない。

 

例えば、俺は今23になり、ある程度自由に暮らさせていただいていると思うが、親が学費を払わなかったり、俺の部屋を燃やしたり、その他諸々の非協力的姿勢を見せてきたら俺は自分のこの先の人生を考え直すしかないだろう。

逆に、今まで親があったからこそ、今の自分の人生を選択している、つまり、親の存在が自分の人生の選択に大きく起因している。(親を利用する、利用しない、利用することができない、それぞれのどの選択も親に起因している。)

 

これは卑劣すぎる。けしからん。

 

子供が、俺のエゴを離れ、完全に自由に暮らすことは不可能である。俺が教育をするわけだし、そもそも「子供に俺のエゴを与えるべきでない」というのはもう俺のエゴである。本当はエゴエゴに教育した方がいいのかもしれない。

 

だから、俺はぜんっぜん子供の人生に責任を持てない。自分の人生の責任すら取れるかわからないのに、子供の面倒も見ないといけない生活が全く理解できない。怖すぎる。

子供が7歳くらいになってから、「やっぱり子供作らなければよかったなーw」とかなっても困るし、子供も困るのである。

 

 

その点、シングルマザーはすごい。

こないだ僕のおじいちゃんの娘が旅行先で出会った一人のシングルマザーは、結婚はする気が無かったから知り合いの優秀な雄の精子を貰って子供を作り、不労所得が既に潤沢にあり、その子供は強い大学にいるらしい。

どういうことなんだろうか?

 

お金と時間と、子育てに対する信念が桁違いすぎる。

どうしてそこまで本気で子育てを実現できるのだろうか?どうして子育てを実現しようと決意できるのだろうか?

お父さんはいないの?とか子供が言い出した時、どう答えるんだろう。

 

 

もし、人間が子供を作るのをやめてしまったら、人は生物として破綻してしまう。

あるいは、国民が子供を作るのをやめてしまったら、国は崩壊してしまう。

だから、国が「セックスしなさい」のは当たり前のことで、少なくとも経済的に正しい問題意識だと思う。だが、国民が少なくても国を存続することは可能であって、労働力の少ないなりに生産力を上げるとか、家庭の多様性を認めていくとか、いろいろな方法がある。

シングルマザーを支援したり、精子バンクとか、一夫多妻制を認めるとか、なんでもいいけど、国の政策(性作?精搾?)はいくらでも出せると思う。

でも、「生物は子供を作らなければならない!」とか「人間は文化的な家庭を築くべきだ!」とか、そういうエゴが邪魔をする。

 

僕はむしろそういう「こうあるべきだ論」を超越したところにある「こうでもいいんじゃね論」が楽しいと思う。

子供が作れなくてあたふたしているよりも、子供作れないからこそできる新たな価値観や人生の在り方みたいなものを見て見たい。

もちろん、その先でその人がシングルマザーになろうが幸せな家庭を築こうが、一生研究室で数学をしていようがそれは自由なのである。その人の人生に国は関係ないし、もしそういう人を排除したいのならそういう政策をとっていけばいいと思う。難しいけど。

 

国でも個人でも、エゴを押し通すというのは本当にカッコいいことだと思う。

それがあるから、成功できることがたくさんあると思う。

でも、「これはエゴだなー。」と思ってしまうと、押し通さないほうがいいんじゃないかと思って失敗することがたくさんあると思うから、人間や国は弱いな、って思う。

 

赤ちゃんが「僕は僕のエゴのままに生きていくから、父ちゃんは何も気にしなくていいんだぜ!オギャー!」って生まれてきてくれるなら、どんなに楽なことだろうか。

 

本当は子供を作って幸せな家庭を築くのが一番シンプルでよいことだと思ってるけど、それで自分の子供が幸せになってくれるだろうか?

いや、俺の子供がそんな単純な奴に生まれるわけがない。というエゴを持っている以上、まず俺が幸せに生きることが大変である。

本当はいつまでも子供のままでいたい。